
『孤宿の人』 宮部みゆき

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『孤宿の人』 宮部みゆき
江戸で家主にいじめられ育った9才のほうは、
その名が『あほう』からとった『ほう』であるほど、
頭が悪く、何をしても覚えが悪かった。
そのため、讃岐の国へ捨て子同然におきざりにされてしまったほうは、
藩医である井上家の人々に引き取られ、そこで大事に育てて貰っていた。
だが、ある日、優しかった井上家の琴江さんが毒殺され、
その事件から、次々と周りで不振な病気や事故が相次いだ。
江戸から流刑となってこの地にかくまっている加賀殿のたたりではないかともいわれ、
混乱が続いてしまっていた。
ほうは、琴江さんの死によって井上家にいられなくなり、
加賀殿のいる屋敷で下働きをすることになったのだが、
凶悪氾であるという加賀殿にやさしく勉強を教えて貰うようになったのだ。
ほうと加賀の絆はどうなるのか、
不振な事故、毒殺、病気との関係は?
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人よりは少し頭が弱い、育ちも悪いというほうという女の子が主人公の話。
人によってはそうゆう子の事を好奇の目でみてしまったり、
バカにしたり、排除したりしてしまう。
でも、本当は、とても心優しい子だと言うこと。
素直で、純粋な心を持っているってことなんだよね。
計算とか、利益とか、全く考えないで物事を考えているから、
時に、時と場合の分別がつかなくなる。
そうゆう子を放ってはおけない、って思う人たちが、
すごく親身になって、ほうを守っていく。
ほうはたくさんの人に見守られて生きていくんだな、
ってことがわかる話だった。
最後には、かなり泣かされてしまった。
ほうとは関係ない所での人間模様もたくさん描かれてるから、
読み応え、あるね。


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