
『赤い月』 なかにし礼



『赤い月』 なかにし礼
昭和20年終戦間近、
満州で造り酒屋を営み、裕福な暮らしをしていた森田家だが、
ソ連軍の侵攻によりその全てを捨て、逃亡せざるを得なくなった。
その時夫は出張で留守、波子は二人の子を連れ、
命からがらハルビンの収容所にたどり着いたのだが、
その生活は過酷な物だった。
二人の子供を守るために良心をも犠牲にした波子だが、
その反面、恋多き女でもあった。
愛する人の為に尽くす女性の物語。
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戦争って惨いよね。
人間を人間として扱わなくても許されるんだから。
そんな中で、年頃の娘と幼い息子を守り通した、
この主人公の波子という女性は、逞しかった。
恋愛に対しても貪欲だったので、
子供達に嫌われながらも、愛する男に尽くした。
もし、今の時代に産まれたとしたら、
この人はどんな生涯を生きるのだろう。
自分の都合で男を選ぶ女。
結婚しても夜遊びをする女。
旦那を愛しつつ、他の男に興味を持つ女。
仕事が出来る女。
バリバリ仕事して、子育ても完璧で、自立してる。
旦那は、自分がやりたいようにさせてくれるような、
めちゃくちゃ理解ある旦那を持つ。
なかなかいないよね~。
この物語は、また、
終戦後の様子が細かく描かれていて、
悲惨な様子、残酷な様子など、
目をそむけたくなるようなことがたくさん書いてあった。
こんなの、私、耐えられないな~。
一人で子供達守れる自信ないわ~。
普通の感想になっちゃうけど、
ほんと、今の時代に産まれて良かったって思った。


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