
『殺戮にいたる病 』 我孫子武丸

![]() | 殺戮にいたる病 (講談社文庫) (1996/11/14) 我孫子 武丸 商品詳細を見る |
東京の繁華街で起きた連続殺人。
それはとんでもなく猟奇的な犯行だった。
犯人の蒲生稔は、死体を愛することが本当の愛と気づき、
次々に行きずりの女性をホテルに誘い殺して行った。
被害者の妹と、元刑事とで、犯人をつきとめるが、
その犯行の現場を目の当たりし、愕然となる。
それは読む人も衝撃的な叙述トリックに騙される。
ヤバイです!これはヤバイ!!
グロテスク過ぎて、ヤバイです。
この犯人、ただ殺して死体とSEXするだけでは満足できなかった。
本当は、死体を持ち帰って、家でも死体と愛し合いたかったのだ。
でも家族の居る家に死体を持ち込むわけにはいかないからと、
なんと、乳房と性器を切り取ってビニールに入れて持ち帰り、
それを使って何度も何度も自慰行為をしていたのだ。
しかも、ホテルで犯行を侵して死体と愛し合ってる場面を8㎜ビデオに
録画して、それを見ながらやるんです。
気持ち悪い!!
前回読んだ、寄生虫の話より、さらに気持ちが悪くなる話だったよ。
しかも、この犯人の母親が、息子の異変に気付いて行動を探っていくんだけど、
この母親の心境や行動が、読者をだまし続ける事になってるんだよね。
ここからはネタバレなので、
知りたくない方は読まないでね。
母親は、息子の様子がおかしいことに気付き、息子の行動を
見張る様になるんだけど、やればやるほど、息子があやしい。
あの、凶悪犯が、まさかうちの息子?
ほとんど確信に迫って、次の犯行現場に行き着いたのだが、
息子は殺されてしまったのだ。
凶悪犯だった息子、しかも殺されてしまった。
その日、ほとんど夢遊病のように家に帰った母親が見た物は、
夫が、自分の母親とSEXしている所だった。
死体となって冷たくなっている義母と。
前回のと同様、わたし、これ2回読みました。
最初はてっきり息子が犯人のていでずっと読んでいたので、
頭ごちゃごちゃになってしまった。
2回目は夫が犯人のていで読んだ。
いや~~騙されてたな~~。
自分が愛すべき人を見つけるためにいろんな女性を殺してSEXしても、
どれも違う、いったい自分は誰を愛せば良いのか?
ホテルで息子に犯行を見られ、息子を殺してしまった。
そこでやっと気付いたのだ。自分は母親を愛したかったのだ。
息子を殺したその足で、家に帰り、母親を殺し、その死体と
SEXする。女房に見られていても、全く気付かない。
死んだ母親の上で、腰を動かし続け、至福の時を存分に味わったのだ。
やばいだろ~~これは~~~・・・。
息子の異変は、父親の異変に気付いての異変だったのだ。
しかし、妻は何故夫の異変に気付かなかったのか・・。
息子が気付いたのに・・。
私にも当てはまる所あるな~~。
子供のことには興味をもって、いろいろ詮索したくなるけど、
旦那については、以外と無関心だったりするもんね。
結婚生活も20年近くなってしまうと、旦那が何処でなにをしようが、
小遣いの範囲で、変な病気持ち帰らなければ、
好きにしてもらってぜんぜん構わないわよ。なんて。
きゃ~~~、旦那が何処で何してるか、
まさか、うちの旦那に限って・・ねぇ~~・・。
娘達よ、パパの異変に気付いたら
ママに教えてね。よろしく~~。


にほんブログ村