
『いとしのリリー』 栗本薫

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まだ女子高校生ののぞみは、医者の跡取りである譲(ジョー)と結婚を決める。
だが、ジョーはなんだか行動がおかしい。そのことを調べると、なんと、ジョーは
夜になると女になって二重生活をしているのだ。
いったい、なぜ、そんなことになってしまっているのか。
これは、多重人格症の話だった。
ずいぶん前に、ダニエル・キースの『ビリーミリガン』を読んだ事があるが、
それはそれは、すごい衝撃だった記憶がある。
どちらも、幼少の時からのストレスによって引き起こされる。
要は、親からの愛情がなく、暴力もうけていたりすると、
嫌な経験を忘れるために、自分以外の人格を無意識に作り上げてしまうのだ。
そうすることによって、痛いことや、怖いことは、その作られた別の人格に
自分と変わって体験させ、自分は体験しなかったことに出来るのだ。
なんと虫の良いことを・・・、って思うけど、それは、私達には、想像もつかないくらい
半端無く、つらい現実なのだろうと思う。
この、ジョーという男の場合、母親からの愛を受けられず、暴力を受ける。
母もいつも父に暴力を受けていた。そういうつらいことから逃げるために、
違う人格を作ってしまった。
ミリガンの方は、少年時代に、なんと父親から性的暴力を受けていた。
本当の父親では無かったのだが、拒否するとやはり暴力をふるわれていた。
24人もの違う人格を生み出して、その苦痛から逃げようとしていた。
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小さい頃からの、家庭環境が悪ければ悪いほど、その人の人格は
ひねくれたのもになってしまうんだな~。
逃げ場が何処にもないと、自分の中に逃げ場(こころの支えになる人)を
つくってしまうんだ。
最近は、虐待とか、ネグレストを受けてしまってる子供が増えてる。
そうゆう子には、周りの誰かがきちんと守ってあげなければ、
その子の人間的な成長が出来なくなってしまうんだろうな。
うちの旦那はAB型だ、二重人格って言うけど、
大丈夫かな~。


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