
『凍りのくじら』 辻村深月

『凍りのくじら』 辻村深月
失踪した父親は藤子F不二雄の書くドラえもんが好きだった。
高校生になった理帆子は余命いくばくもない母親を見舞いながら
悶々としたつまらない毎日を過ごしていた。
なにか、自分には足りない、満ち足りる物がない
そう思いながらも、
つまらない友達とつるみ、どうしようもない男とつきあい、
それでも楽しい女子高生生活を装って生きていた。
そして、利帆子もドラえもんがすごく好きだった。
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父親に捨てられ、母親ももうじきいなくなる。
そんな青春時代だったらきっと、
私でもグレちゃうのかな。
誰でも良いからやさしくしてくれたらいい。
自分が居られる場所があるならどこでもいい。
たとえ自分を偽ってでも。。
って投げやりになってた?
この女子高生は
探していたのかな、本当の自分の居場所を。
そしたら、ある男子高校生が現れて、
その場所へ連れて行ってくれた。
実態のない男子高校生・・・。
ファンタジーだったよ~~。
やられたわ~、すっかり騙されてしまいました。
思い返せばへんな所あった。
そっか、あれは・・・・・・・・だったのね~~。
場面場面をドラえもんの道具でなぞり、
登場人物にはイニシャルSFでその人を表していく、
というのが、なかなか面白かった。
イニシャルSF、
たとえば私だったら何だろう・・・。
少し・・・・太った・・・(笑)
あ~~~、そうゆ~んじゃないのよね。
もっと、ぜんぜん、上手いこと言ってるんだこれが。
最後には、女子高生は
自分の居場所も見つかり、
自分を偽らずに生きていけるようになって、
いいお話でした。