
『その女アレックス』 ピエール・ルメートル

『その女アレックス』
ピエール・ルメートル
女が帰宅途中に何者かに誘拐される。
知らない場所に連れて行かれ監禁される女。
犯人は何物なのか・・・。
しかし、身動きの取れない状態の女を放置したまま、
犯人は警察に追跡され事故死してしまう。
警察はやっとの思いで誘拐された女のいる場所を突き止めたが、
そこに女はおらず、脱出していた。
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さてと、
どれから話そうか・・・。
前にブログで言ったことあるね、
ねずみに食い殺されそうになる女の話、
これがそれ。
ネタバレします。
まず、女は何年も偽名を使って生活していた。
その日もお気に入りのカツラをかぶって町に出かけた。
独身で一人暮らし、仕事を辞めたばかりで誘拐されたので
誰も気付かず、探してはくれなかった。
なので、警察も誘拐されたのがどこの誰なのか、
分かるまでに時間がかかった。
そうしているあいだにも、女は衰弱していき、
意識ももうろうとしていくが。
女が誘拐されたあと、
ある無人の建物に監禁されるんだけど、
それがひどい。
素っ裸にされ、
1メートル角くらいの檻のような木箱に入れさせられ、
体育座りのような状態で身動きが取れない体勢。
ロープでつるされ、宙ぶらりん。
檻の外にドライフードと水のペットボトルが
籠の様な物に置かれ、ぶら下がってる。
何とかかんとか檻の隙間から手を出せるので
その食べ物と水は、少しは口に出来た。
犯人は、女に暴力はふるったが犯すことはなく、
女のことを淫売とののしり、くたばるところを見てやる、
と言い放った。
しかし、女は同じ体勢でいるため
体じゅうが激痛、尿や便も垂れ流し。
寒いし声も出ず、
助けを呼ぶことも出来なかった。
何日かが過ぎて、男が出かけたっきり戻ってこなくなった。
食料も水も途絶えるといよいよ自分は死んでしまうと思った矢先、
何かがガサガサとはえずってる音が・・
はい、ねずみの登場。
ねずみはドライフードを食べにきた。
てか、ドライフードは女の為じゃなく、
ネズミをおびき寄せるための餌だったのだ。
ねずみの数はどんどん増えていき、
えさが無くなると、女を狙うようになる。
身動きが取れない状態だが
力と知恵を振り絞り、
檻の木の端くれをはぎ取り、武器にしてネズミと戦った。
が、それも限界がおとずれ、女は絶望した。
もう一度、木をはぎ取ったが武器になりそうな大きさではなく、
女は考え、それを使い自分を傷つけた。
女はあきらめなかったのだ。
自分の血液を、おりをぶら下げてるロープに浸した。
ネズミがそれを狙ってかじりついた。
何度も何度も自分を傷つけ、
ロープに血を塗る。
そうしていくうちにロープが破れていった。
あと少し・・・・
女は、体をゆらして自分が閉じこめられてる檻をゆらした。
ブランコを揺らすように、大きく大きくゆらした。
落下したときにうまいこと檻の角が床に激突し、
檻が崩壊してくれることを祈って・・・・。
あ、わたし、感想書いてないね・・・・。
これね、監禁されてる女の脱出劇
みたいになってるけど、
そうじゃないのよこれが・・・・。
脱出するまで半分、そのあとが半分あるのよ。
面白いよ~~~。
女がカツラかぶって変装して、偽名を使って生活してるってこと、
忘れてない?
すっごく面白そうでしょ?
衝撃的な真実だったよ。
これはすごいミステリーだった~。