
『青の炎』 貴志祐介

『青の炎』 貴志祐介
秀一は17才の高校生、母と妹との3人暮らしをしていたが、
突然、母と離婚した男が家に上がり込んで住み始めた。
その曾根と言う男は以前から母に暴力をふり、
妹もおびえながらくらしていた。
秀一は曾根を殺したいほど憎んだ。
そして、完全犯罪を思いつき、実行した。
その後、一家に幸せな暮らしが戻るのか。。
家族を思う男子高校生の葛藤と戦いの結末は・・・。
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なぜ、別れた旦那が再び戻ってきたのか。
酒飲みで、ギャンブル漬けで、働かず、
傍若無人に我が物顔で振る舞い
家族に恐怖をあたえる最低の男だ。
そんな生活に耐えられなくなったら、
逃げるか、殺すか・・・、って考えるね。
秀一は頭が良く、緻密に完全犯罪を作り上げた。
しかし、そこはやはり高校生、
やはりそうは上手くはいかなかったのよね。
同級生に目撃され、金を要求されたのだ。
一度犯罪にてを染めちゃったらもう後戻り出来ない、
また完全犯罪を考え、その同級生も殺す事にしたのだ。
そんな上手く行くはず無いのよね~。
警察なめんなよ!
って言いたくなったわ。
でも、家族を思ってしたことで、
気持ちは分かるから、
完全犯罪、上手くいくといいのに、って思ったわ、そりゃ。
結局、秀一は追い詰められて、最後は自ら・・・・・
なんだけど、、
お母さん目線でかんがえると少し秀一と思いが違っていた。
曾根は末期ガンだったのだ。
ほおっておいてもまもなく死ぬはずだったのだ。
それをお母さんは知っていて、
温情の気持ちで家にとどまらせていたのでは?
しかも、曾根は秀一とは血がつながっていなかったが、
妹は曾根の実の娘だったのだ。
その事実は本人達も知らなかった。
曾根はどうしようもない暴力男でクズで
殺したいほど憎い男だったけど、
少しは心が通っていて、
最後くらいは実の娘のそばにいたい、
って思ってのことだったのかも知れない。
だったら傍若無人に振る舞わないように、
おとなしくしてたらよかったのにね。
きっと曾根は血のつながらない秀一のことは嫌いだったのかもね、
妹とすごく仲良くしていて、嫉妬していたのかも。
そう考えると、ある意味、
曾根は自分の望みを果たした事になる。
最後は娘のそばにいたい、
秀一を破滅させたい。
その通りになったからね~。
後味の悪いストーリーだった~~~。
あ、これ、2003年に嵐の二宮君主演で映画になってました。