
『閃光スクランブル』 加藤シゲアキ

『閃光スクランブル』 加藤シゲアキ
ゴシップカメラマンの巧は
アイドルグループの亜季子のネタを入手し追っていた。
その不倫現場を押さえたその時、事件が起きた。
ゴタゴタの中、巧と亜季子は2人で逃避行する羽目に。
巧は過去に、最愛の妻を事故で亡くしている。
そのことで自分を責めている。
腕の良いカメラマンだった巧は妻が死んでから
カメラをやめたが、稼ぐためにゴシップカメラマンになった。
アイドルの亜季子は、アイドルの顔と不倫をしている裏の顔がある。
そんな自分はこれから先どうすればよいのかが分からない。
心の中の悪魔がいつも目の前に現れては自分に問いかけてくる。
そんな2人の逃避行は、2人の心にどんな結果を与えてくれるのか。
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シゲアキの2作目だって、これ。
文庫なので、あとがきに色々書いてあって、
シゲアキ自身の心の葛藤とかも分かって、
なんか、そうゆうのもかいま見られたよ。
どうしても作者本人の生活と近い様な内容になってしまうのかな。
1作目も俳優とかバンドの話だったしね。
(短編集のやつは3作目らしいから、
だんだんといろんな話を書くようになってたのね。)
またまた、熱中して読んでしまった。
(シゲアキ、ほんと読みやすい)
ネタバレしちゃいます。
カメラマンだった巧は、
街で妻をカメラのレンズから覗いていたところ、
妻が車にひかれて死んでしまったのだ。
自分が写真を撮ろうとしなければ妻は死なずに済んだのだ、
と、自分を責め続け、
しかも、ショックで色盲になってしまったという。
それは精神的な物だったので、
亜季子と関わっていく中で、
だんだんと心の傷が癒えていき、
ラストには巧に色が戻ったと言う話なんだけど。
精神的なショックが大きいと、
この世から色がなくなってしまう物なのですかね~。
胃に穴が開くとか、
一気に白髪になるとかね
そうゆう事は良く聞きますけど、
それが目にくるってことよね。
世の中から色がなくなってしまうとはどうゆう事だろう。
白黒写真・・・・なんか、暗い・・・。
もうそれだけで気持ちも暗くなるし、心が狭く感じる。
視野も狭くなった気がするし、心閉ざしちゃう感じ。
巧は勇気を出して、自分に向き合う決心をして、
色が戻ったんだけど、
その勇気をくれたのは、同じように心に傷を負っている亜季子だった。
傷の舐めあい、って言うけど、
それが必要な時もあるんだよね。
人と人が関わるってそうゆう事よ、
それで心が強くなっていくって事なのよね。
私も人として、人に関わって、
誰かを支えたり、支えられたりして行けるように、
うん、そうやって楽しく生きて行こう
って思う。