
『赤い指』 東野圭吾

『赤い指』 東野圭吾
ごく普通のサラリーマンの家庭、
その家の庭に少女の遺体が。
妻と子、そして痴呆を患っている母親を守るために
この男は間違った行動を起こす。
この事件を担当する刑事、加賀恭一郎は
この家族に起こっている深い闇に気づき、
この夫は本人も気づかないうちにその心の闇を
さらけだすことになる。
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よくよく見たら、これ、『新参者』が出される前の
加賀恭一郎シリーズだった~。
加賀の父親に関するエピソードが書かれてあって、
これが泣ける・・・。
本編とは関係ないけどそっちがいい話だった。
本編の話ね、
ネタバレしちゃいますが、
この事件は、中学三年生の一人息子が
少女を家に連れ込み殺してしまったって話、
それに気がついた両親が、なんと、
惚けてしまっている母親に罪をかぶせようとするのだ。
ま~~なんてこと、
こんなの、隠し通せるモンじゃないことはわかってる、
でも、そうでもして、なんとしてでも息子を守らねば、
と思ってしまう、この愚かな親のきもちね、
息子はどう感じていたのだろうか、
まず、そもそも、
育て方が間違っていた、
っちゅったらおしまいなんだけど、
そうゆう育てられ方をしたらきっと
自分の悪事は親が何とかしてくれる
って思う息子になるわね。
この子は相当時間を掛けて更正させないと、
親の気持ちなんて分かってくれないだろう。
それよりも、痴呆の母親よ。
母親は、嫁と息子と孫の態度に嫌気がさし、
ず~~っと惚けたふりをしていたのだ。
(ステップアンドヒルズとすこ~しかぶるね)
惚けた振りをすることによって、ぎくしゃくした家族と
関わりを持たずに生活が出来たのだ。
毎日世話をしに訪れていた家主の妹(娘)はそれを知っていたという。
やりきれないです。
結局、この母親の機転によって
夫は目が覚めた、
母親の愛に気づき、
そして、家族は崩壊したのだ。
加賀はそうゆう人情、絆、人の感情を
うまくついてくるんだね。
加賀恭一郎シリーズ、
他のも読んでみたくなった。
しかし、惚けたふりなんて、
本当に出来るモンなんでしょうかね~。