
『ユリゴコロ』 沼田まほかる

![]() | ユリゴコロ (双葉文庫) (2014/01/09) 沼田 まほかる 商品詳細を見る |
母親を2ヶ月前に交通事故でなくし、
父親も今は末期のガンで療養中の亮介は、
たまたま開けた押し入れに気になる物を見てしまった。
母親の名が記された髪の毛の束と、4冊のノート。
亮平は、何か胸騒ぎがして1から始まるそのノートを開いた。
するとそこには母親の信じられない事実が書きつづられていた。
自分の母親が犯罪者であることを信じられない気持ちで、
でも、本当のことを知りたいと、弟の洋平と調べ始める。
そこではっきりしたことは、母親は、二人いるってことだった。
一方で、亮平の付き合っていた彼女がお金を持ち逃げして失踪。
亮平は自らが経営するドッグカフェを切り盛りしながら
彼女の帰りを待ち続けていた。
彼女の置かれている状況、母親の謎・・・
真実が解き明かされる。
ラストで思わぬ再会、亮平は何を思うのか。
面白かったよ~。
半分が母親の日記みたいになってた。
主人公は幼少期に入院していたんだけど、
入院中に母親が入れ替わったんじゃないかって思うくらい、
なんだか別人に見えていた。
でも、それは時間が経つにつれ、忘れていったことだけど、
それが、このノートと父親の話ではっきりと分かることになる。
そうです、母親は、入れ替わっているのです~。
自分は入れ替わる前の母親と、同じ犯罪者の血が流れているのではないか、
と自暴自棄にもなるんだけど、
それは、ドッグカフェのお店で働いてる女性が救ってくれるのよ。
その女性が謎の鍵になってる。
ネタバレしちゃいたいわ~~~。
ネタバレしちゃうよ~~~。
これ、結局、失踪した彼女も戻ってくるんだけど、
ようは、悪い男に脅されてたんだよね。
で、その悪い男をこの手で殺してやるって亮平は思うのよ。
だって、自分はどうせ、犯罪者の息子だし。って。
でも、自分がそいつに会おうと思ったときにはもう、殺されてた。
誰に??
お店の従業員の女性に。
その女性は、そうです、入れ替わる前の母親だったんです~。
この母親は、子供の頃からおかしな子で、
お医者さんには「こころのよりどころがない子」
と言われた。「よりどころ」が「ゆりごころ」に聞こえていたのよね。
まあ、一言で言っちゃうと精神病みたいなことだ。
動物を殺すことが平気、友達を殺すのも平気。
てか、人を殺したくて仕方ない。
母親は、夫にそれを知らせるために、
幼少からどんなことをしてきたのかを
すべてノートに書いて、
息子と無理心中するつもりだった。
が、未遂で終わる。
でもね、そこからがまたいろいろとね~、
周りの家族達がやらかすのよね~~。
あ、もうこれ以上書いたらなが~~くなっちゃうからやめる。
あ、感想ね、
この主人公亮平は、
自分が人殺しの血を引いてると思いながらも、
母親のたっぷりの愛情で育てられたという気持ちで、
すごく満たされたんではないかしらね。
彼女も戻ってきたし、
これから家族の過去の罪を抱えながらも、
幸せに暮らしていくのではないかしら。
だけど、人を殺して平気な子供を作ってしまう環境って、
どんなんだろうね。
最近多いからね、解明して欲しいよね。