
『終末のフール』 伊坂幸太郎

![]() | 終末のフール (集英社文庫) (2013/04/11) 伊坂幸太郎 商品 詳細を見る |
8年後に小惑星が地球に衝突して、
地球は滅亡するという予告がなされ、
地球上の人間が皆、絶望によりパニックになる。
ある程度パニックも収まり、落ち着きを取り戻したのは
予告から5年が過ぎた頃だった。
あと3年でこの世が終わるというとき、
人はどう行きようとするのか、
同じマンションに住む、8人の物語。
これは、また、突拍子もない話だったけど、
まあ、あるかもしれない、無くはない話だよね。
地球に小惑星とか、巨大隕石とかが衝突するとなると、
やっぱり人類は滅亡してしまうんですかね~~。
同じマンションに住んでるが、なんの接点もない8人の物語。
所々でつながってるからなんだか面白かった。
みんなそれぞれ、予告された直後からのパニックを
なんとか生き延びた人たちなのだ。
だって、
地球が無くなる、人類が滅亡する、
って、もし100%信用出来る予想だとしたら、
お金の価値とか、モラルとか、
もうみんなめちゃくちゃになる。
強盗も、殺人も、平気でやり出す人も。
警察なんて当てにならない。
みんな、当てもなくどこかに逃げようとする。
デマも詐欺も横行するし、
平気で家族をも裏切る。
欝にもなる。
ある程度は混乱するだろうと思っていたが、
この本を読んで、人って思った以上にすごい愚かなんだ、って思った。
でも、時間が経つにつれ、
精神が強い人、諦めの良い人、悪い人、
それから運の良い人が生き残って、
すこしづつ穏やかな世界になるんだけど、
やはり、あと数年で自分も何もかもが無くなるという。
そんな中で、残りの人生を楽しく生きていこうと思えるのか。
いるかもね~、
まあ、そうゆう人たちの話だから、
なんか、勇気が貰える話だったよ。


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