
『私の男』 桜庭一樹

![]() | 私の男 (文春文庫) (2010/04/09) 桜庭 一樹 商品詳細を見る |
震災によって両親と兄弟を亡くし、
孤児となってしまった小学3年生の花は、
親戚だという26歳の青年、淳悟に引き取られ、
大事に育てられた。
花が結婚し、新婚旅行から帰ると、
淳悟は失踪してしまっていた。
花と淳悟の禁断のストーリーを
時間をさかのぼりながら描いていく。
映画にもなったみたいだね、この話。
(知らなかった、観てみたいわ~。)
この話は、簡単に言うと、
近親相姦の恋の話、
なんだけど、
それがもう、なんていうか、
べっちょりした話なんだよ。
べっちょり、が正しい表現かどうか、
二人はDNA的には親子関係で、
でも、花は小3までは母親と、
血のつながらない父親と
異父兄弟と共に暮らしていた。
もちろん本当の親子だと思っていた。
震災で家族を失ってしまったことで、
親戚である青年の養子になる事になってしまった。
青年の方は、花が自分の娘だという確信をもっていたので、
自分の本当の娘と一緒に暮らすことをずっと願っていたのだ。
そして、こちらも早くに両親を亡くした為、母の愛に飢えていた。
母の面影を娘の花に重ねてしまった所から
二人のちょっと変わった関係が始まってしまった。
でも、かなり、常識とはかけ離れている関係。
普通さ~~、
引き取って育ててくれた人をお父さんだと思って慕ってるとしたら、
もし、男と女の関係を迫られたら抵抗するじゃん、
でも、花は、それを当たり前のように受け入れて、
お父さんだ、と思うと同時に、自分の男、としてかけがえのない存在、
になっていくのよ。
気持ち悪いよね。
でも、本人達は互いにその暮らしをこわしたくないと思ってる。
こわそうとする人がいれば排除する。
そして逃げる。
そんな禁断の生活を送りながらも、
花は大人になっていくし、
淳悟も老いて行く。
(と言っても、花と淳悟は15歳くらいしか離れてないけどね。)
花は結婚して普通に生活するときが来た、と、
淳悟が悟ったとき、
すべてを終わりにしたんだね。
良くない関係だってことは本人達が一番分かってた、
ってことだ。
しかし、過去の二人の罪は
このままおとがめなし、と行くのだろうか、
って、気になる。
近親相姦・・・・
って一口に言ってしまったけど、
この二人の愛し合い方はちょっと・・・
気持ち悪いよ・・・・。
ココでは言えないけど。。。
まあ、
一回読んでみてよ。