
『デリリウム17』 ローレン・オリバー


『デリリウム17』 ローレン・オリバー
この国では、愛は病とみなされている。
思春期を迎える頃には、恋愛によって心が乱されないように
治療を行う事が義務づけられている。
国民は皆、病気に感染することを恐れているのだ。
そして17歳のレナもその治療を心待ちにしていた。
しかし、治療の日が迫っているある日、
アレックスと言う名の青年に出会う。
レナは自分が恋愛という病に冒されている事に気づいた。
アレックスは向こうの人間だった。
レナも向こうに行きたいと願うのだが・・。
二人の運命は・・・?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これ、おもしろかった~~。
恋愛は心を乱し混乱させるだけで、
人間にとっては凶器になる、って考え。
で、そうゆう感情を規制出来る治療方を生み出しちゃうって、
すごい話だよね。
恋をして、胸がキュンと痛むことが病気だっつうんなら、
飼い犬が死んで悲しくて食欲が沸かないのも病気だ。
だから、この治療を行うと、
人間らしい普通の感情が欠落してしまうのだ。
治療前と後で、好みが変わっちゃったり、
仲の良い友達が変わっちゃったりするみたいで。
けど、それでも、
治療のおかげで、国民の感情が穏やかになって、
争いごとが起きなくなり、平和に暮らしていけるのだそうだ。
そんな人生、つまらないよね~。
犯罪は少なくなっていいのかもしれないけど、
恋愛とか、家族愛とか、友情とか、
そうゆうのが乏しくなっても平和なら幸せなのか?
この主人公のレナは治療間近にそのことに気づいてしまったのだ。
絶対に治療を受けたくない、
愛する人とずっと一緒にいたいって。
この治療は、すべての人に効き目があるわけでは無かったから、
効き目のない人は収容所に入れられちゃう。
感情に任せて何をし出すか分からないからか?
薬が効かないってだけで犯罪者扱いされちゃう。
そんな世の中、嫌だよね~。
この国から脱出しようとする二人だけど、
企みがバレて捉えられそうになる。
捕まったら殺されるか、収容所行きだ。
愛の力が勝つのか、政府の力が勝つのか。。
なんか、辛かったわ~、最後。
この物語、オバマ大統領が娘に送った本なんだって。