
『海猫』〈上・下〉 (新潮文庫) [文庫]
谷村志穂
海猫のような眼をした美しい顔をした女、薫は
離れた街の漁師の元に嫁ぐ。
漁師の妻としても次第になじんでいく反面
なぜか、心が充たされない思いをしていた。
長女が産まれると、気持ちが揺れ動くことになる。
夫の弟との禁じられた愛。
その先に訪れる不幸な結末。
だが、時が経ち、薫の二人の娘達が成長し、
二人の娘もまた、恋に落ちる。
娘たちは、母親の面影をどのように感じ、生きていくのか。
良くある話で、
主人公が旦那の弟に恋しちゃって、
二人目の子は弟の子だったりして、
で、旦那や旦那の家族につらい思いさせられて、
結局、心中という形でその恋は終わってしまうんだけどな。
でも、残された二人の娘たちがたくましく助け合って生きていくから
まあ、そこまで重い話ではなかったよ。
しかし、私の旦那にも弟がいるが、
どう考えても、
もし旦那と不仲になったとしても、
旦那の弟に恋するなんてことは
あり得ないわ~。
年子の旦那と旦那の弟、
初めて見る人は、そっくり、って言う。
私も昔は、電話の声がどちらか分からなかったくらいだ。
今となっては、どこが???(似てる??)
ってなくらい、
見た目も、しゃべり方も、ファッションセンスも、
考え方も、奥さんの雰囲気も、仕事も、
もうね、すべてが正反対!!!
磁石か!!!ってくらい。
旦那の弟と、長く話してると、
最後の方には必ず、
「私、Tちゃん(弟)とは絶対に結婚出来ないわ~。」
って言ってしまう。
(まあ、向こうも同じ事思ってるんだろうけどね。)
だから、この話には、まるで感情移入するようなことはなかったんだけど、
設定が昔のお話ですから、きっと、相手がよく分からないまま結婚してしまう、
と言うことであれば、起きかねないことなのかな~。
そうね~、昔は旦那が戦争で死んだりすると、
その兄弟と再婚したりしたようだしね。
子供が異父姉妹・・・と言うのも私にはその心情は計り知れないんだけど。
この本では、残された姉妹が、おばあちゃんの元ですくすくとよい子に育ってる。
大きくなって、親の事を知って、そのことを二人がどう受け止めるのかが
気になっちゃってね~~、親の目線で読んでた。