
『ナルキッソスの鏡』 小池真理子

![]() | ナルキッソスの鏡 (集英社文庫) (1996/04/16) 小池 真理子 商品詳細を見る |
女装趣味の美しい青年。
恋人を友人に奪われ、自殺未遂した女性。
息子と娘の誕生日に、カップルを惨殺し、盗んだ物をプレゼントする女。
複雑な人間達が絡み合う衝撃のサイコサスペンス。
双子の息子と娘のためだと思いこみ、
普通の生活とはかけ離れた生活を送ろうとする女、
他の人との接触を拒み、自給自足をする。
今どきのオシャレな服や物を子供達に与える為に、
毎年一回、近くの河原にやってくる若いカップルを誘い出し
殺して金品を奪い取る。
この女は狂ってた。
毎年毎年、綺麗な服を着せて喜ぶ娘の姿をみるのが幸せという。
しかし、娘はもう何年も前に死んでいたのだ。
気味の悪いマネキンを娘と思ってずっと過ごしていたのだ。
息子はそんな母親の異常な行動に気付いていたが逆らえず、
死体を庭に埋めるのを毎年手伝っていたが、
やはり、外の生活にも興味がある。
もっといろんな世界を知りたくなってくる。
そりゃそうだ。
みんな楽しそうにしてるのに、自分だけなぜ?ってなる。
息子が外の世界を覗きたくなって、ついしてしまった行動で、
女はとうとう自制が出来なくなってしまった。
近づいてくる人間達はみな、鬼だ、皆殺しだ、と。
お~~こわ!
自給自足で生きる、人を殺して誰にも気付かれないように埋める。
そんな行動力、バイタリティがあったら、
もっと、普通に人生楽しめたのにね。


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