
『スイッチ』 吉村達也

![]() | スイッチ (角川ホラー文庫) (2004/01) 吉村 達也 商品詳細を見る |
奈美絵は自殺したが、思ったような死に方が出来ず、
せっかく書いたのに、恨み辛みを書いた遺書を残すことが
出来なかった。
どうしても自殺に追い込んだ二人にそれを分からせたい為に
呪って、取り憑いて、復讐することにした。
ターゲットの二人に関わる他の人も巻き込んで、
最高の復讐の為には他人も犠牲にする。
さて、最高のシチュエーションでの復讐とは?
これは、高校教師と二人の女子高校生との三角関係から始まった。
何気なく言った一言が、とんでもない悲劇を生んでしまうという話だった。
人によっては、重く感じたり、気にならなかったり。
たとえば、「あなたって地味な人ね。」って言われて、
「やっぱりそうなのね。」と自分を再確認して、それを逆に
個性としてとらえるのか。
「地味だなんて、ショックだ。」と思ってしまい、無理に変えようと
するのか。
「なんて酷いこと言うのかしら。」と、自分の事はともかく、
言った相手を否定するのか。
この物語の場合、自分を変えようとしたが、
失敗してしまい、それを苦にして自殺してしまった。
実際、その失敗は本人のせいではなく、それを施した人が悪かったのだが、
昔、言われた一言のせいだ、と、逆恨みしてしまったのだ。
だから、恨まれている当の本人達はそんなことはまるで気が付いてない。
気が付いたとしても、「そんなこと言ったっけ?」と、忘れてるんだろう。
思いこみのはげしい人とか、勘違いしやすい人とか、
そんな人と関わって、恨みを買ってしまったら大変だ。
この物語の場合、取り憑かれた女性は、なぜか日に日に別人のように
美人になっていく。そんなこと出来るのか?
出来たとしても、なぜ恨みを晴らすためなのに、そんなことをするのか?
フフフ・・・女の怨念は怖いわ~~。読んだらわかるよ~~。
私も気軽に言ったことで、人を傷つけてたりしてないか、
なんだか心配になってくる。
自分の発言には気を付けなくちゃいけないな。


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