
『スキップ』 北村薫

![]() | スキップ (新潮文庫) (1999/06) 北村 薫 商品詳細を見る |
昭和40年始め、17歳の真理子は音楽を聴きながら目を閉じた。
目が覚めると、そこは、25年後の世界だった。
初めて見る物ばかりで、しかも自分が自分なのである。
目の前には自分と同じ17歳の少女が・・。娘だという。
どういうことなのか、真理子は42歳、高校教師だという。
夫も高校教師で、真理子とは職場結婚をしたらしい。
自分のことなのにまるで分からない。
タイムスリップをしたのか?いや、17歳から42際までの記憶が
すべて消えてしまったのだろう。
時代の流れに全く着いていけない。
17歳の記憶のままの真理子が現代を生きなくてはならない様子を
描いている。
もしも、私が17歳の時からの記憶がすっぽり無くなってしまったら、
どうなるんだろうか?
テニス部だったから、「大会で上位の成績とれたかな。」とか、
就職出来たのか、誰と付き合ってきたのか、どこに旅行したか、とか。
それまでの自分を見つける為に、アルバムとか、はがきとか、
とにかく、家捜しして記憶の穴を埋めるだろう。
写真見るだけでもやった気になったり、行った気になったりするもんだ。
妄想を記憶に変えちゃうしかないよな~。
でも、さすがに、勉強は無理だ。
やりなおさないと記憶にならない。
この主人公の真理子は、高校教師。
学校に行き、生徒としてではなく、教壇に立たなくてはいけないのだ。
17歳の少女が、突然、先生と呼ばれ、同じ17歳に授業をしなければいけないなんて。
でも・・・
大学受験や、教員採用試験などの、受験勉強をしないで
なんの苦労もなく先生になっちゃうのは
ちょっといいかもな~~~。
25年後か~孫いるかな~。


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